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> むずむず脚症候群 |
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「むずむず脚と睡眠障害」
「睡眠の悩み」について10月6日NHKにて放送されましたが、その中で表現されている症状の相当多くが、漢方の五心煩熱などの陰虚症によく似ているので、ご参考にしていただけると思い少し書いてみました。
脚の不快感(ほてる,熱い,冷たい,だるい,痛い,むずむず,チクチク,ひきつる,重いなどたくさん表現される)によって脳が過敏状態となり睡眠障害が引き起こされると言うものです。
そのことを一般的に「むずむず脚症候群」と云い、専門的には「レストレスレッグス症候群」と呼んでいるそうです。
*足がほてり、足のぴくつきが起きるので眠りが浅い。
*脚の実際の温度が高くないのに、熱く感じる。
(ほてりが出る前後に脚の温度を測定しても変化がない)
*刺激の信号は脊髄を通り脳に行く。
*症状は夜になると多くなる。
*女性は鉄不足の貧血の人に多い。などが症状の中心。
これを漢方から見ると、足がほてる人の手の甲と手のひらのどちらが熱いのかを確かめると、必ず手のひらが熱くなっています。
陰陽の分類では、手の甲は陽で手のひらは陰になります。
これを「手掌煩熱」と云い、陰虚の熱があると判断します。
実際の温度が高くないのに熱を感じるのも、陰虚の熱です。
陰虚とは、身体に血液・津液・精が不足している状態のことです。
「刺激の信号は脊髄を通り脳に行く」、について漢方では「腎は骨を主り、髄を生じ、脳に通じる」と云っているように、腎と脳の関係を表明しています。
症状が夜に多いのは、夜は陰の時間で、昼は陽の時間だからです。
身体に陰(血液・津液・精のこと)が不足していると、陰が支配すべき時間なのに、陽の活動をおさえきれず熱証が出てきます。
手のひら、足の裏や胸中に熱感があることを「五心煩熱」と言い、陰虚火旺または病後の余熱がとりきれていない状態でみられます。
治療法は、例えば車のオーバーヒートを防ぐためにオイルやラジエーターの水を補充するように、不足している「陰」を補い、正常な働きをしない余分の熱を冷まします。
それを滋陰退熱や清熱養陰などと云っています。
「むずむず脚」のため「睡眠障害」になっているのは、陰の不足のうち特に心労や病気で「心陰」(心臓の陰液)が不足したからです。
不眠,動悸,焦燥感,驚きやすい,寝汗,五心煩熱,夢が多いなどが見られ、治療は「養心安神」を行います。
また、心陰不足だけでなく、肝腎脾など他臓と関連することも多く、中でも「心腎陰虚」が多くみられます。
この治療も「養心安神」及び「滋陰養血」をおこないます。